ソマリランドからアメリカを超える
この週末は以下の本読んでやる気エネルギー?貰ってます。
私がソマリランドという国に興味を持つようになったのは、高野氏の以下の書籍を読んでから。
謎の独立国家ソマリランド そして海賊国家プントランドと戦国南部ソマリア (集英社文庫)
- 作者: 高野秀行
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2017/06/22
- メディア: 文庫
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ソマリランドといえば高野氏というくらいの認識だったので、最初タイトルみたら高野氏の新書かなと思ったら違いましたが、やはり解説は高野氏が書かれてますね。
その高野氏の「解説」に書かれている以下の2点は、私も同じ感想持ちました。
私は本書を読んで二つのことにいたく感銘を受けた。
一つはソマリランドの若者の「飢え」。(略)もちろん、本物の飢餓もあるが、もっと圧倒的多数のアフリカの若者が飢えているのは食べ物ではなく、教育や仕事だ。とりわけ、未承認国家ソマリランドの若者は高等教育に飢えている。(略)
飢えている若者に適切な水や食事を与えると驚くほどの勢いで摂取し、爆発的に成長する。そうでなければ、日本とは比較にならないほど貧弱な教育しか受けていないアバルソ高校の新入生が数年後にはハーバード大学やイェール大学に合格してしまうことの説明がつかない。
もう一つ、感銘をうけたのはアメリカ人のパワーだ。クレイジーさといってもいい。著者はソマリランドのことをろくに知りもせず学校を作ってしまった。だから後で大揉めに揉めるわけだが、とにかく始めて、しかもやり通してしまう。学校の先生も、保険の効かない、病院もろくに無い未承認国家で、ほとんどボランティア並みの待遇で教えている。
著者の周囲のアメリカ人たちも、最初は冷笑していた人でも、成果が出始めると、積極的に支援を申し出る。そこには「どんなバカでもやった者がえらい」という単純明快なフロンティアスピリットが感じられる。(p.324-325)
排他的なソマリランドという国の中でアメリカ人が学校をつくり、最初は英語も話せなかった生徒をアメリカの大学に入れるまで育て上げるというのは並大抵の苦労ではないことは明らかで、このあたりのストーリは読んでいて引き込まれます。
ちなみに、本書を読んでいてふとどこかで似たようなことを感じた本を読んだなと思い思い出したのが、 マイクロソフトを辞めて途上国の教育機会を支援する組織を立ち上げたジョン・ウッド氏の以下の書籍。
この本は結構前の本ですが、個人的に結構想い出深い本であり、2007年の「今年の10冊」に選んでました。
大企業を思い切ってやめてやりたいことをやるというのは多くの人が夢見ていることなのでしょうが、それを実行・実現できる人はほんの一握り。こういった人たちの活動を単に凄いな、という感想で終えるのではなく、自分の行動に反映させていくことが重要なのですが。。。
とはいえこういった本を通じてそのエネルギーを貰えるので、本書のようなジャンルにもアンテナ伸ばしておいて、定期的に手にとってみたいと思います。